全球降水観測(GPM)計画による衛星からの降水観測と水災害監視

全球降水観測(GPM)主衛星は、2014年2月の打上げ以降、順調に観測を続けています。GPM主衛星は日米共同開発で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)が開発した二周波降水レーダDPRを搭載しています。さらに、GPM計画は、複数の衛星(コンステレーション衛星群)と連携することで衛星全球降水マップGSMaPも提供し、全球降水の高精度・高頻度観測を実現しました。本発表では、GPM計画の打上げ以降の進展と水災害の早期予測・把握を目指した利用事例について紹介します。

PDF(講演資料:6.09 MB)

大学の地震観測・研究とICTネットワーク技術

日本では約1200点の地震観測点のデータが大学・気象庁・防災科学技術研究所の間でリアルタイムに交換され、地震現象の把握・研究に用いられています。本講演では、日本の地震観測の中での大学の役割について述べた後、交換データを用いた講演者の地震の発生メカニズムの研究について紹介します。また、情報通信研究機構と大学の研究者との共同による無線伝送技術を用いた新たな地震観測の試みについても紹介します。

PDF(講演資料:6.41 MB)

センサーネットワークによる災害関連事象の観測

火山噴火や津波、局所的集中豪雨などの発生前後には、大気中に何らかの観測可能な変化が生じます。その変化をセンサーネットワークにより観測することで、災害の早期検出や発生地域の特定の助けとなる情報が得られます。既に事象自体は発生しており、力学的な影響が伝搬するよりも早くに音波や電波が届くために、早期検出が可能となります。一種のリモートセンシングですが、現在の遠隔地の状況を知ることよりも、将来の現在地の状況の予測精度を高めることが目的です。これまでの取り組みと、今後の展望について紹介します。

内容

次世代安心・安全ICTフォーラムでは、安心・安全な社会構築に寄与するICT技術開発とその社会実装を目指して活動を行っています。この中では、災害の計測技術やICTネットワークを活用したデータ処理・利用技術開発において、関係分野の技術を統合した広い視点から検討を行い、社会リスクの軽減のための新たな価値創造を目指します。
今回は、このような視点から、災害に関係する観測技術とネットワーク利用を組み合わせた最新の研究の紹介を行い、聴講される皆様による議論の場を設けたいと考えています。コロナ禍の時代において、リモート形式の講演会となりますが、多くの皆さまのご参加により実り多い講演会となることを期待しています。

開催日時

2020年12月25日(金)13:30 ~ 16:20(オンライン開催)

本シンポジウムはビデオコミュニケーションツール「Zoomウェビナー」を使ったオンラインイベントです。お申し込みいただいた方には、参加用URLをメールにてお送りします。

本講演会は2020年度情報通信月間の参加行事です。

講演会プログラム

13:30 ~ 13:40開会挨拶松島 裕一次世代安心・安全ICTフォーラム 会長
13:40 ~ 14:20全球降水観測(GPM)計画による衛星からの降水観測と水災害監視久保田 拓志国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター 研究領域主幹
14:20 ~ 14:30質疑応答  
14:30 ~ 15:10大学の地震観測・研究とICTネットワーク技術内田 直希東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター 准教授
15:10 ~ 15:20質疑応答  
15:20 ~ 16:00センサーネットワークによる災害関連事象の観測西村 竜一国立研究開発法人情報通信研究機構 ソーシャルイノベーションユニット耐災害ICT研究センター 応用領域研究室 主任研究員
16:00 ~ 16:10質疑応答  
16:10 ~ 16:20閉会挨拶門脇 直人国立研究開発法人情報通信研究機構 理事
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