主催:次世代安心・安全ICTフォーラム
MP-PAWRはゲリラ豪雨などの激しく変化する降水現象を的確(即ち、立体的かつ高速)に観測することを目的としてSIPの第1期において開発されました。MP-PAWRにより、ゲリラ豪雨の予測精度は向上し、社会実装への期待が高まっています。一方で、MP-PAWRは降水研究おいて、その立体観測を生かした活用の幅を大きく広げることも期待されています。本講演では、MP-PAWRを用いた降水研究への応用例について紹介します。
近年、地球温暖化に伴う豪雨が増加傾向にあります。こうした現象に対して、フェーズドアレイ気象レーダが開発され、その開発と利活用は世界的な傾向になりつつあります。本講演では、日本におけるフェーズドアレイ気象レーダの研究開発を振り返りつつ、世界的な研究開発動向を概観します。
近年、局地的大雨(いわゆるゲリラ豪雨)や竜巻・突風が局所的・突発的に発生し、各地で被害が発生しています。情報通信研究機構(NICT)では、人々に被害をもたらす気象現象の予測技術の開発を目的として、従来の気象レーダに比べて10倍程度高速で降雨や風を測ることができるフェーズドアレイ気象レーダを開発し、レーダの実験運用が関西、関東、沖縄で始まっています。本講演では、日本国内におけるフェーズドアレイ気象レーダの状況、NICTが保有するフェーズドアレイ気象レーダの観測データの利活用事例について紹介します。
防災科研は、雨雲の立体構造をすき間なく30秒間隔という高頻度で観測できるMP-PAWRの特長をいかした1時間先までの局地的大雨予測の手法開発を行ってきました。本講演では、鉛直積算雨水量(VIL)を用いた30分先までの大雨直前予測、様々な観測データをデータ同化技術で取り込んだ数値予測、両者の長所を組み合わせたブレンド予測と、それらを活用した実証実験について紹介します。
フェーズドアレイ気象レーダは、従来のパラボラアンテナ型気象レーダの100倍の観測データを生成します。このビッグデータをリアルタイムで活用することが、ゲリラ豪雨の早期探知と予測のために非常に重要となります。本講演では、スマホアプリ「3D雨雲ウォッチ」および、理研天気予報における30秒毎の3次元観測データの活用例を紹介し、リアルタイムデータ配信・処理に関する現状と課題について述べます。
2019年12月3日(火)14:00 ~ 17:05(開場13:30)
SYDホール
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷4-25-2 修養団SYDビル
交通案内:https://syd.or.jp/facility/sydhall/access/
JR山手線・中央本線「代々木駅」西口より徒歩5分
マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)は2017年に世界に先駆けて開発され、その活用は豪雨予測のみならず学術研究へも広がっています。また外国に目を向けると、フェーズドアレイ気象レーダを将来の現業レーダへ置き換える研究も急速に進んでいます。本講演会では、フェーズドアレイ気象レーダの最新情報について第一線で活躍する研究者による講演を行います。
14:00 ~ 14:05 | 開会挨拶 | 松島 裕一 | 次世代安心・安全ICTフォーラム 会長 |
14:05 ~ 14:10 | 来賓挨拶 | 高村 信 | 総務省 国際戦略局技術政策課 研究推進室 室長 |
14:10 ~ 14:30 | マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)の開発と降水研究の発展 | 高橋 暢宏 | 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 教授 |
14:30 ~ 15:05 | フェーズドアレイ気象レーダの最新の動向について | 牛尾 知雄 | 大阪大学 教授 |
15:05 ~ 15:40 | 国内のフェーズドアレイ気象レーダの最新情報 | 中川 勝広 | 情報通信研究機構 電磁波研究所 リモートセンシング研究室 室長 |
15:40 ~ 15:50 | 休憩 | ||
15:50 ~ 16:25 | マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)を用いた豪雨の短時間予測の実証実験 | 岩波 越 | 防災科学技術研究所 国家レジリエンス研究推進センター センター長 |
16:25 ~ 17:00 | フェーズドアレイ気象レーダのリアルタイム観測データの活用 | 佐藤 晋介 | 情報通信研究機構 電磁波研究所 リモートセンシング研究室 研究マネージャー |
17:00 ~ 17:05 | 閉会挨拶 | 細川 瑞彦 | 情報通信研究機構 理事 |