主催:次世代安心・安全ICTフォーラム、国立研究開発法人 情報通信研究機構
後援:内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、防衛省
神戸市では、大規模広域災害や激化する気象災害など、新たな課題に対応するため、「自己決定力の向上」を基本理念に、地域防災計画の抜本改定を行いました。これに基づき、阪神・淡路大震災の経験・教訓を活かしながら南海トラフ巨大地震への備えを行っています。現在推進している神戸市の防災・減災対策を紹介します。
阪神・淡路大震災、岩手・宮城内陸地震等の経験を踏まえ、総務省東北総合通信局は宮城県沖地震に備えていました。しかし、未曾有の被害をもたらした東日本大震災では「想定外」ばかりでした。リスクマネージメントの観点から、被災地の情報通信の状況を踏まえた役割・課題について私論を展開します。
気象庁は、2014年10月7日に、静止気象衛星「ひまわり8号」を種子島宇宙センターから打ち上げ、2015年7月7日より運用を開始し、観測した雲画像等を提供しています。この「ひまわり8号」には、世界でも最先端の高性能な可視赤外放射計(AHI: Advanced Himawari Imager)が搭載され、従来の静止気象衛星に比べて、観測頻度、解像度等の性能が格段に向上しています。本講演では、「ひまわり8号」の概要、観測された雲画像等を紹介します。
国土地理院は、災害対策基本法に基づく指定行政機関として、地殻変動の監視、災害の危険性の分析、防災地理情報の提供などを行っています。本講演では、干渉SARなどリモートセンシング技術を利用した口永良部島や箱根山の火山活動の監視、関東・東北豪雨におけるUAVや航空写真を利用した災害状況の把握などの事例について説明します。
耐災害情報通信基盤 NerveNetは、災害に強く、低コストで安全に域内の情報交換と共有を実現するシステムです。通信が途切れにくく、インターネットに依存しない域内通信が可能です。各種有線や無線回線を利用して構築できる柔軟性があり、インターネットとは別の物理網ゆえ情報の安全を確保しやすい特徴もあります。地域基盤として実証中の宮城県女川町、和歌山県白浜町、長野県塩尻市等の事例、可搬型装置で臨時にネットワークを構築して避難所間情報共有を実証した事例、複数の消防車両同士をつないで映像伝送に成功した事例など、さまざまな実証事例を紹介します。
2016年2月5日(金)午前10時30分から午後3時45分
パシフィコ横浜 アネックスホール F205
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
交通案内:http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
本シンポジウムでは、災害の予測技術、災害時の情報伝送技術の紹介と、それらの災害対策・危機管理への利用促進を目的として、以下の講演・討論を行います。
まず、地震・豪雨災害の実態と災害時の対応(行動手順)について、危機管理担当者からの情報提供を行います。次に、新世代の静止気象衛星「ひまわり8号」の新性能を紹介し、そのデータ利用の促進を通じた豪雨等による気象被害の低減の取り組みを紹介します。また、干渉SAR(合成開口レーダ)等を用いて取得した防災関連情報(観測強化地域の地殻変動等)とその提供法を紹介します。さらに、災害発生時においても情報伝送の維持と情報共有を可能とすることにより、被災地域の災害対応力の向上をめざして開発された分散型地域無線ネットワークを紹介します。
10:30 ~ 10:35 | 開会挨拶 | 福地 一 | 次世代安心・安全ICTフォーラム 会長、首都大学東京 |
10:35 ~ 10:40 | 来賓挨拶 | 荻原 直彦 | 総務省 情報通信国際戦略局 技術政策課 研究推進室 室長 |
10:40 ~ 11:30 | 特別講演「阪神・淡路大震災の経験・教訓を踏まえた神戸市の防災・減災対策」 | 長岡 賢二 | 神戸市 危機管理室長 |
11:30 ~ 12:20 | 特別講演「東日本大震災における情報通信の役割と現場で感じた課題」 | 井澤 一朗 | 日本空港無線サービス(株) 調査部長(元東北総合通信局長) |
12:20 ~ 13:20 | 昼食 | ||
13:20 ~ 14:00 | 新世代の静止気象衛星「ひまわり8号」 | 大友 猛 | 気象庁観測部気象衛星課 衛星整備計画官 |
14:00 ~ 14:40 | 干渉SAR等を用いた防災関連情報の取得と提供 | 長谷川 裕之 | 国土交通省国土地理院 防災企画調整官 |
14:40 ~ 15:00 | 休憩 | ||
15:00 ~ 15:40 | 域内の情報交換と共有を実現する耐災害情報通信基盤 NerveNet | 井上 真杉 | 情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター 研究マネージャ |
15:40 ~ 15:45 | 閉会挨拶 | 富田 二三彦 | 情報通信研究機構 理事 |